元気スイッチ

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院長日記

2010.12.22

妊娠中のインフルエンザワクチンの効果

一般に6~12カ月児の方が、6カ月未満児よりもインフルエンザウイルス感染率が高く、その理由としては、経胎盤的な母体由来の抗体を含む母乳栄養による防護が考えられるそうです。しかし、インフルエンザ流行極期のインフルエンザ罹患率・死亡率は、6カ月未満の乳児が6カ月以上の児を上回るそうです。

ジョンズホプキンス大学のEick博士らの研究によると、母親がワクチン接種を受けた児では、ワクチン非接種の母親の児と比べ、検査室診断で確定されたインフルエンザウイルス感染リスクが41%、インフルエンザ様疾患による入院リスクが39%低かったそうです。また、出生時、生後2、3カ月時のインフルエンザ抗体価も、ワクチンを接種した母親の児の方が高かったそうです。

したがって、妊婦さんのインフルエンザワクチン接種は、妊婦さんのインフルエンザ合併症リスクを減少させるために有効であるばかりでなく、生後6カ月未満の乳児をインフルエンザから防護する効果もあることが証明されたと言えます。

そろそろ周南にもインフルエンザの流行の気配があるようです。昨日(12月21日)も来院された方が会社でひとり発症したと言われていました。まだ接種されていない妊婦さんは接種をご検討下さい。

参考文献:Medical Tribune Vol.43,No.50

Angelia A.Eick et. Archives of Pediatrics&Adolescent Medicine(2010;オンライン版)