元気スイッチ

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院長日記

2011.04.16

恩師の訃報

昨日、恩師の訃報が届きました。

私にとってはテニスの大先輩であり、人生の道筋をつけて下さった方です。

とっても大きく温かい方でした。

私が学生時代は、先生は大きく厚い壁でした。先生には単に強いだけでは勝てませんでした。技術を支える「折れない心」のようなものがないと勝てませんでした。自分の得意とするショット、プレーを苦しくても、うまくいかなくても押し通す強さがないと勝てませんでした。ですから先生に勝てたということは、技術だけでなく精神力が成長した証でした。先生に初めて勝てたときには、本当に嬉しかったし、大きな自信となりました。

私は卒業前、進路に悩んでいました。私は今でいう総合医(何でもみれる医者)になりたかったので、色々な科を経験できる病院で研修をしたかった。でも、勉強不足で研修病院を受ける実力がありませんでした。当時は大学の医局に入局するのが当たり前でしたが、そうすると専門領域しかわからなくなる心配がありました。

そのときに先生にどうしたらよいか相談しました。

先生は、「お前がテニスで強くなったのは、サーブとボレーが人より強くなったからではないか?全てのショットを上手くなろうとして強くなったヤツがいるか?色々な疾患が診れるようになりたいのはわかるけど、今は自分が自信を持てる柱を作ることも大切なのではないか?それがしっかりしていれば周りもおのずとついてくるのではないか?」と言って頂きました。

その言葉で、まずは心臓が診れるようになろうと循環器内科を志しました。

その後、多くの素晴らしい先輩、後輩、そして患者様との巡り合いがあり今の私があります。

今、現在、当初志した「なんでも診れる医者」になっているか自信はありませんが、先生の言葉があったから、一生懸命心臓を勉強できたし、その柱があったから、心臓以外の病気も興味を持って勉強してこれたのではないかと思っています。

今日、先生とお別れしてきます。先生の言葉を胸に、これからの人生を更に精進して参りたいと思います。

先生のご冥福を心よりお祈り致します。