元気スイッチ

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院長日記

2012.04.01

ジェネリック医薬品

市役所の保険年金課より国民健康保険に加入しておられる方の手元に「ジェネリック医薬品に関するお知らせ」が送られているようです。

今週、これを持参して「ジェネリック医薬品」に関するご相談を頂くことが多くなりました。

そこには、処方されている薬のどれがジェネリック医薬品に変更可能か、どの程度薬代の自己負担が軽減されるかが明示されていますので、患者さんにとってはインパクトがあります(だって太字と大きい時で「○○円以上安くなる」って書いてますもん)。

今までは「ジェネリック医薬品ってなんだろう?」程度で無関心だったひとも、具体的に「○○円安くなる!」と書かれれば誰だってそっちにいきますよねえ。

これって「先発医薬品」を「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」に切り替えさせるには効果絶大で、このお知らせ配布は大成功と思いますが、単純に安くなるからジェネリックに、という流れでいいのだろうか?とは思いますが、消費税を10%にしないと・・・なんて言っている昨今ですからね。無駄は省いていかないといけないんでしょうねえ。

お役所は「変更にあたっては医師によく相談」なんて書いて僕らに責任を押し付けていますが、僕らも変更してよいのか悪いのかは正直わかりません。変えちゃダメ!という理由がない限りは安い薬に変更させる方向に近年どんどん向かっているのが現状です。

3月までの処方箋は、医師が「この薬はジェネリックに変えちゃダメ」とサインしない限りは、患者さんが希望すればジェネリック医薬品に変更可能な処方箋になっていました。その前は、「ジェネリックに変えていい」とサインしない限りは変更不可能だったんですが。この4月からは、我々が「一般名」で処方箋を発行すると診療報酬が高くなるので、もっとジェネリックへの変更が進むと思います。

これはどういうことかと言うと、薬には「一般名」と「商品名」があります。胃薬で有名な「ガスター」がありますが、この「ガスター」は商品名。一般名は「ファモチジン」。アステラス製薬が出している「ファモチジン」が商品名「ガスター」で、これが先発医薬品。これはオンリーワンなんですが、ジェネリック医薬品の「ファモチジン」は、発売会社も様々なので商品名も「ガスポート」、「ガモファー」、「チオスター」「モミアロン」など様々です。

今まで我々は「ガスター10mg」などと先発医薬品名で処方箋を発行することが主でした。ですから、患者さんがわざわざ薬局でジェネリック変更の希望を言わないと「ガスター10mg」が渡されることが多かった。この「わざわざ」がちょっとしたハードルになっていた。ところが「一般名」で処方箋を発行すると、薬局はどこの会社の「ファモチジン」を出したらいいのか困る。否が応にも患者さんに先発医薬品がよいか?ジェネリック医薬品がよいか?確認することになる。また、ここにも厚労省の策があって、薬局もジェネリック医薬品を多く出した方が診療報酬が高くなるので、ジェネリック医薬品が多くなる・・・とまあこんな感じです。

で、結局のところジェネリック医薬品はどうなのか?

色々なたとえ話があると思いますが、ある高級レストランで有名シェフが作るコース料理は1万円。お弟子さんが作る料理は2~3割引きの8000円。食材や調味料は基本的に一緒だけど、料理の値段は安いので当然シェフのような食材や調味料は使えない。お弟子さんも沢山いるので腕に差がある。せめてお弟子さんを選ぶことができればいいんだけど、これは難しい。どこのジェネリック医薬品を扱うかは薬局が決めています。腕のいいお弟子さんが作るジェネリック医薬品を用意している薬局さんだと安心なんですけどね。

あとは皆さんの価値観の問題でしょうか・・・