元気スイッチ

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院長日記

2020.03.10

試算してみました

「新型コロナウイルス感染症情報_11」で掲載した、高山先生の図にある式を用い、周南市の人口(2015年の国勢調査データ)を入れて計算してみました。

以下、私の個人的見解です。
①ピーク時の1日あたりの外来患者
小児科約30人。徳山中央病院小児科だけでは対応困難でしょうね。地域の小児科診療所が全て対応できるとすればなんとかなるか?
成人は461人。内科系診療所69とありますが、どれだけの診療所が対応してくれるのか?インフルエンザのようにどこでも…とはならないかもしれません。また、一番危惧しているのが、流行が拡がれば、どんなに注意していても、我々診療する側も感染し、診療所を閉じているかもしれないということです。なんとか医師は回復し、診療開始できていても、スタッフが休み、診療体制が取れていない可能性もあるかもしれません。今のような2週間休診というようなことになっていたら到底太刀打ちできないと思います。我々がとにかく感染しないということが重要とも言えますが、流行期には普通の風邪症状の患者さんの中に新型コロナの方が混じりますから、ワクチンや予防薬もない状況ではどうしようもない気がします。

②③ピーク時の入院患者、重症入院患者の対応
現時点では、入院治療の対応は徳山中央病院だと思いますが、ここだけでは当然困難で、いずれ新南陽市民病院にも協力頂かないと難しくなるかもしれません。他の病院がどれだけ対応してくれるのか?医師会病院も先生によっては、患者さんの状況によっては入院治療しようとする先生もいるでしょう。いずれにせよ、重症者が徳山中央病院で治療できるよう、地域の病院が役割分担する必要があるでしょうね。また、重症だからといって、寝たきりだったりで、すでに人生の最終段階に入っているような高齢者、施設入所者、入院患者さんの場合、積極的治療が困難な場合もあると思います。そういう方々まで、重症だからという理由で徳山中央病院の集中治療室に入ると、救える方も救えなくなる可能性があります。そのような方々は、骨折、肺炎でも人生を閉じておられますし、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症でも人生を閉じられることが普段からあるわけです。したがって、新型コロナが特別ではないということを頭に置いておく必要もあると思います。ただ、老人施設入所者さんが発症した場合はどんなに人生最終章でも入院せざるを得ないでしょうね。だからこそ、施設での発症をとにかく防がないといけないということだと思います。

改めて、できるだけピークを大きくしないこと。緩やかにすることが大切ですね。
また、高齢者施設で流行させないこと、院内感染を起こさないことが大切ですね。
そして、市民の皆さんの一人一人の頑張り、そして、医療者が役割分担をし、力を合わせて、乗り切る意識が大切だと思います。