2011.01.26
ASTHMA PRIMARY CARE SYMPSIUM 2011
東田有智先生のお話(近畿大学医学部 呼吸器・アレルギー内科 教授)
配合剤のメリットがよく理解できました。ちょっとのことでは発作がでない「より高いレベルのコントロールが重要」というお話は、患者さん達に治療の継続性を理解して頂く説明としてわかりやすいなと思いました。
亀井雅先生のお話(亀井内科呼吸器科医院 院長)
当院にも咳が止まらないといって来院される方は多く、痰や蓄膿症状が目立てば、副鼻腔気管支症候群という診断は簡単と言えば簡単なのですが、そうではない咳をどのように診断したらよいか悩んでいました。以前、研究会で演者の先生に「アトピー咳と咳喘息の診断は難しく、患者さんも苦しんでいるので、どちらにも効果のある配合剤を最初から使っているがどうか?」と質問したら、「診断もつけずに治療をするなんて言語道断!」とえらくお叱りを受けたことがありますが、亀井先生は、感染がない、鼻症状がない、逆流性食道炎がない、肺機能もよいといった診断困難例に、合剤を使って早く症状をとってあげる。それによって患者さんから信頼を頂き、よりよいパートナーシップが構築される。そうすると次に症状が出たときにまた来院して下さる。そうして確定診断につながっていく。それでもよいのではないか?とお話されていました。先生が悩み、患者さんのことを思い、日々診療されていることが伝わる本当に勉強になる講演内容でした。
近藤哲理先生のお話(東海大学医学部付属八王子病院 呼吸器内科 教授)
吸入デバイス(器具)についてのご講演でした。ディスカスとタービュヘイラーの違い。知っていたようで知らなかったことが沢山ありました。ディスカスによる咽頭刺激は薬によるものかと思っていましたが、吸入速度が強すぎることでも起こるようでした。一方、タービュヘイラーは吸入を強くしても流速が速くなりすぎないので、そういう意味でも咽頭刺激が起きにくいとの説明でした。
パネルディスカッション:二宮清純さん(司会)、永田真先生(埼玉医科大学呼吸器内科教授)、清水宏保さん、北島芳枝さん(NPO法人相模原アレルギーの会理事長)
二宮さん、清水さんは小さい頃から喘息をお持ちで、医師から運動をあきらめるよう言われたそうです(そういう風に言われていた時代なんですね)。二宮さんはそれで運動をあきらめ?スポーツライターに。清水さんは喘息を克服するため運動療法としてスケートを始められたそうです。清水さんは我々医師に、治療はシンプルに。その人にあったものに、と言われていました。
(上記は聴講した私の理解であり、実際の内容とは異なっている可能性がありますのでご了解下さい)