元気スイッチ

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院長日記

2014.03.12

日本在宅医学会に行ってきました

浜松で開催された『第16回日本在宅医学会』に行ってきました。

浜松上陸は初めてで(静岡県自体初上陸)、名物のウナギを楽しみにしていたのですが、入ったお店がひどくて(涙)、30分以上待っても出てこず・・・ビールだけで酔っ払ってしまって、注文キャンセルして退出(涙)。友人に言うと、良いお店は注文が入ってからウナギをさばくから30分は当たり前と無知を責められましたが、お店のサービスからいってもそれは違うと思った次第なんですが・・・

ウナギは残念でしたが、学会は大変勉強になりました。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)のシンポジウムでは、患者さん自身がご自分の事を話しておられました。それが大変素晴らしい内容で、心に響く言葉がいくつもありました。

・告知までは、自分自身も自分の体の事、病気の事がわからず、また、周囲の偏見にもずいぶん悩んだ。だから、告知のときはある意味「これで非難されずに済む。自分を責めなくてもいいんだ。」とある意味安堵した。でも、告知のときは恐ろしくて逃げ出したかったが、横で泣いている妻を見て、「この涙を止めるのは自分しかいないと思ったら、逃げ出せないと思った」。

・自分が病気と向き合わなければ、病気の事がわからないし、自分がわからなければ他人がわからないのは当然。自分という存在が「やらなければ」ではなく、「やってあげたい」という存在にならなければ。そのためには、どういう姿を示せるかが大切で、病気から逃げるわけにはいかない。

・よい死に様を求めてもがくうちに、一生懸命生きることを考えていることに気づいた。よい死とは、よい生と気づいた。

・色々な出会いがあり、病気がまだまだ自分を成長させてくれる。豊かさのピークはまだまだ先だと思う。

本当に沢山の心に響く言葉を聞かせて頂きました。講演終盤は首を保持するのも大変になっておられましたが、力を振り絞り講演されました。講演終了時は拍手が鳴り終わりませんでした(感涙)。

「看取りに必要な言語」ということでご講演をされた小澤竹俊先生のお話も大変勉強になりました。小澤先生は歌謡曲などの歌を例に、緩和ケアに必要なポイントを教えて下さりとっても楽しい講演でした。

癌の痛みに苦しむ患者さんの支援では、『アタックNo.1』の歌をあげ、「苦しくったて、悲しくったって、コートの中では平気なの」、ヒロイン鮎原こずえは苦しくても、悲しくてもコートの中では平気!なぜか?コートの中ではアタッカーとしての存在があるから、だから平気なんだと、つまり、痛みがあって苦しくて、悲しくても、どこかで自分の存在意義の実感、苦しくても頑張れる理由があれば乗り越えることができる。そこが何なのか?それを知り、支援することが大事と言われました。

また、大切な人を失われたご家族の喪失感を表現した映像として、歌手のJUJUさんが歌った『Hellow Again~昔からある場所~(Ballad Ver.)』のPV(プロモーションビデオ)を紹介下さいました。これ、ネットやiTunesで視ること可能ですが、とってもいいです。せつなくなります(涙)。

今回勉強したことを少しでも日々の診療に生かしていきたいと思います。

帰りの新幹線でうな重弁当を♪