元気スイッチ

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院長日記

2020.02.22

新型コロナウイルス感染症情報①

FBグループ『在宅医療カレッジ』に投稿された大阪大学医学部付属病院感染制御部部長、朝野和典先生のご講演内容が整理され、投稿されており、大変参考になりますのでご紹介させて頂きます。
現在、コロナウイルス(COVID-19)に対する国の対応につきましては、他国と比べて甘く、皆さんが疑問、不安を感じているとおりだと思います。
また、我々に伝えられる内容についても、今ひとつ実感との乖離を感じます。先日の岩田先生のYouTube投稿内容と、その後の報道を見てもわかるとおり、報道機関のフィルター、「名前の言えない」大きな存在からのフィルターで、現場で起こっている内容と伝わっている内容が乖離しているように感じます。
今、まさに映画で観たような世界が目の前で起きているといった印象です。
こういうときに大切なのは、正しく伝えようとする使命感を持った現場や専門家からの情報と、国民一人一人の常識と節度、勇気ある行動だと思います。私達のような市井の医師が、このように繋がって、正しい情報を皆さんに伝えようとする行動も、今こそ大切と考えます。
大変不安なときではありますが、力を合わせ、乗り越えましょう!下記を読めば、相手を知り、冷静に対応することで、この危機を乗り越えることが不可能ではないことがわかります。

●恐らく国民の3分の1から2分の1が感染する。ただしこれは第一波だけでではなく、時間をかけて起こる。死亡率は我が国では多分インフルエンザ程度(約0.1~0.2%)であろう。しかし高齢者や基礎疾患がある場合は10%以上になる可能性がある。
●この致死率とは感染が確認された人を母集団として計算されるので、国民の3分の1が感染したらその0.1%が死亡するという意味では無い。多くは感染が確認されないままになるので、実際の致死率はもっと下がる。
●ウイルス感染症にはピークがあり免疫を持った既感染者が増えると収束する。その期間はSARSコロナウイルスなどの類推から約6ヶ月程度と思われる。インフルエンザのように気温上昇が収束に関わる可能性もあるが現時点では不明。
●従って感染したこと自体で大騒ぎするフェイズではもう無い。健康な若者が感染し軽症で回復し免疫を持つことで逆に収束は早まる。

★★★最重要なのは★★★
高齢者と基礎疾患などの有病者への感染を防ぐことである。特にCOPDの患者。老人ホームの親には暫く会わない方が良いかも知れない。医療関係者の感染も、医療体制の崩壊を招くので避けなければならない。
●そのような高リスクの人達への感染を全力で防いでいる間にワクチンが開発されるであろう。
●PCRによる検査自体は確度が高いが、採取したサンプルにウイルスが含まれているとは限らないのでどうしても偽陰性の確率は高くなる。検査結果をうのみにすると危険。
●軽症者の検査は必ずしも必要ないのではないか。症状で顕著なのは発熱、倦怠感、乾性咳漱。
●なお新型ウイルスの正式名称は、SARS-CoV-2で、それによる感染症をCOVID-19と呼ぶ。

大阪大学医学部附属病院感染制御部部長 朝野和典先生制作のスライドより