元気スイッチ

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院長日記

2020.09.21

「周南市地域外来・検査センター」が開設されました

周南市における新型コロナウイルス感染症に対するPCR検査センター「周南市地域外来・検査センター」が開設されました(9月16日より)。
これは、国、県がPCR検査体制の充実を図るため、山口県内8医療圏に1か所以上を設置することを目指してのものです。
「周南医療圏」は周南市、下松市、光市を指し、下松市、光市でも検討中ですが、まだ具体的なことは聞いておりません。
一般の方々への注意事項としては、
・これは皆さんが「新型コロナが心配だから検査して下さい」と立ち寄れるところではない
・検体採取だけをする場所(唾液検査を主とし、唾液採取できない場合に咽頭ぬぐい液を採取)
ということです。
もう少し、詳しく説明すると、
風邪症状があったり、新型コロナが心配な場合は、今までどおり最寄りの医療機関に相談、受診することが必要です(直接の受診は避け、電話でまずご相談下さい)。
そこで、新型コロナのPCR検査が必要と判断された場合のみ、受診した医療機関から、PCR検査センターに予約を入れてもらい、指示された時間に検査を受けに行く・・・という流れになります。
「検体採取だけする場所」と書きましたが、受診した医療機関で会計をし、必要な薬があれば処方箋発行してもらい(できるだけそこで薬をもらい、薬局への会計も済ましていることが望ましい)、検査センターで検査だけを受け帰宅。翌日の検査結果報告を待つ・・・という流れです。
新型コロナが疑われるわけですから、検査後に薬をもらいに再度受診したり、薬局へ処方箋を持っていったり・・・ということ(行動)はできるだけ避けて頂くことが大切です。
この日刊新周南の記事には「検査費用は無料」となっていますが、通常の診察等にかかる費用は必要です(もちろん医療保険がききます)。PCR検査も今は医療保険の対象ですが、その費用分は公費で賄われますので、医療機関での会計には含まれませんし、検査センターでの支払いもありません。
検査センターは、まだ週2回(月・水)の開設で、1日4人までですから、少ない感は否めませんが、慣れてきたり、流行状況に応じて、検査数、検査日を増やしていくことは検討されています。
この検査センターの何がメリットかと言いますと、
今までは、診察した医師がPCR検査が必要と判断した場合、保健所に相談し、許可が必要でした。保健所が不適切、不要と判断すれば、当然検査はできません。それで、敷居が高いと不評でした。それが、これからは、医師が必要と判断すれば、保健所を通さず、検査に回すことが可能となります。
ただ、保健医療、行政検査であることには変わりないので、医師には、相変わらず、その要否判断の適切性については要求されることとなります(つまり、何でもかんでもはできないということ)。
しかし、今までの保健所を通すやり方だと、保健所が、検体採取する医療機関に連絡し、その時間に患者さんを誘導し、採取した検体を県の検査機関に運ぶという作業が必要で、多くの人を動かさないといけないので、依頼する側も要否を本当に慎重に検討する必要がありましたが、これからは、その辺りもなくなるので、「従来なら検査しないけど、やっぱり気になるので、検査できるならしておきたい」というような「できればやりたい」ぐらいの方でも検査しやすくはなると思います(私見です)。
ただ、繰り返しますが、単に「心配だからして」という患者さんからの要望だけの検査は相変わらずできませんのでご注意下さい。
インフルエンザの流行期の前に、まずは検査センターが立ち上がり、運用に慣れ、インフルを含めた新型コロナ対策の体制を整えたいと思っていたので、ひとまずホッとしているところです。

以下、皆さんの抱くであろう疑問を、Q&A形式でまとめていますのでご参考下さい。
Q1:週2回なら、月・水以外で病院受診した人はどうなるの?
A:月・水含め、他の曜日でも従来どおりの保健所を通した検査は可能で、受診した医療機関でPCR検査が必要と判断された場合は検査は可能です。
Q2:下松市、光市の人間はどうなるの?
A:この検査センターの利用は、受診した医療機関が、登録医療機関であることが必要です。したがって、下松市、光市の方でも、登録された周南市の医療機関に受診されたのであれば、検査を受けることは可能です。山口市、防府市の方も同様です。費用も変わりません。
Q3:新南陽市民病院でやっているんですか?
A:違います。市民病院横の「旧保健センター」建物で行われています。検査は予約時間に直接センターへ自家用車で行って頂き、車から降りることなく、受付し、車中で唾液採取して頂き、帰宅する流れです。市民病院駐車場に停車し、歩いてセンターに行かれた方は検査できませんのでご注意下さい。また、新型コロナが疑われるわけですから、決して、市民病院内に入らないようにお願いいたします。
Q4:自家用車で行かないといけないの?
A:まず、医療機関への受診もできるだけ自家用車でお願いします。多くの医療機関が、新型コロナが疑われる患者さんを、他の方々と分け、安全に待機できる場所がないからです。「テント建てろ」と言われるかもしれませんが、それを建てる場所がない医療機関がほとんどですし、近隣からの風評・非難も懸念されます。また、検査センターも自家用車から降りることなく受付、検査が行われますから、自家用車でお願いします。自家用車で行けない方は対象とはならず、従来どおりの保健所を介した検査となります。
Q5:どうしてもPCR検査が受けたい、陰性証明が欲しい人はどうしたらいいの?
A:実費ということになります。実費検査をしてくれる、検体採取してくれる医療機関は限られると思います。ご確認下さい。ネットでは自分で唾液採取し、郵送して判定というサービスもあるようです(実費検査は3〜4万円ぐらい)。
Q6:登録医療機関はどうやったらわかるのか?
A:申し訳ありませんが、公表しておりません。どの医療機関も公表することで集中することを懸念しております。かかりつけ、受診されたい医療機関にご確認下さい。
Q7::抗原検査はしないのか?
A:抗原検査も保健適応となりました。簡易キットでは数分で結果が出ます。発症している方、発症から9日以内の方には有効です。しかし、検体が「鼻咽頭ぬぐい液」のみとなっています。したがって、検体採取にはマスク、手袋、フェイスガード、ガウン等の十分な予防策が必要となり、開業医ではとても敷居が高いのが現状です。医療機関によって対応はまちまちです。受診される医療機関にご確認下さい。
Q8:インフルエンザの流行期、どうするのか?
A:従来のインフルエンザの診断簡易キットは「鼻咽頭ぬぐい液」での検査が主体です。新型コロナの可能性もある状況となりますので、Q5の回答のように、高度な予防策が必要となります。したがって、医療機関での対応は、①インフルの検査はせず(インフルが疑われれば検査なしで薬処方も可能)、新型コロナが疑われるならPCR検査へ回す(検査センターもしくは保健所)、②インフルの検査をするなら、新型コロナも抗原キットで同時検査をする、のどちらかになろうかと思います。今、どの医療機関でも悩んでいる状況です。
PCR検査センター(黄色の「PCR検査センター」)をクリックすると記事が拡大)