元気スイッチ

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院長日記

2020.03.01

新型コロナウイルス感染症情報⑥

立て続けの情報で、逆に混乱させているのでは?と思ったりもしますが、それだけ状況は目まぐるしく動いていますし、心ある医療者が懸命に正しい情報をわかりやすく伝えて、少しでも役に立とうとされている努力の結晶と思います。この思いを皆で共有し、つながることで、この難局をなんとか乗り越えれればと思っています。
在宅医療の世界をリードして下さっている『悠翔会』佐々木淳先生が作成された資料です。
先生の2月29日のFaceBook記事と併せ、ご紹介させて頂きます。

以下、本文です
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先日作成し、佐々木の個人ページでシェアさせていただいた新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の説明補助資料、PDFにしました。
もしよろしければご活用ください。
高齢者施設に関わる在宅医療者の主たるミッションは大きく4つあると思います。
①高齢者施設をCOVID-19のクラスターにしないこと。
高齢者施設を「安全地帯」として維持するために、最適な情報ケアの提供を通じて、施設運営者と連携しながら入居者を感染から守ること。
②もし感染者が発生した場合には、施設内での隔離ケアがきちんとできるよう支援できること。患者の状態をきちんと観察し、その時々の状況に応じた最適な医療の提供ができること。
③もし感染者が重症化してしまった場合には、治療方針の選択について、臨床倫理的判断をしっかり行うこと。他の疾患と同様、あらかじめACPを通じて本人が納得できる選択についてみんなで考えておくこと。
④もし重症化した感染者が積極的治療を選択しない場合には、肺炎に伴う呼吸困難感など、苦痛の緩和がきちんとできること。
実際のところ、要介護高齢者が重症化しても、治療薬がない現状においては、人工呼吸管理、場合によっては人工心肺を回しながら、本人の回復を待つ以外の治療法がありません。
もともと脆弱な高齢者が、このような状況から立ち上がれる可能性は非常に低く、その侵襲性の高さを考えると、治療をしないという決断が十分に倫理的に妥当であると考えれるケースは少なくないと思われます。
COVID-19だから何が何でも病院へ、と思考停止に陥るのではなく、他の疾患と同様、何がその人にとって最適な選択なのかを考えるというプロセスを大切にしたいと思います。
資料はブラッシュアップの途中です。主に患者さんやご家族、ケアに関わる方々への説明補助という前提で作ってあります。ご意見等、頂戴できましたら幸いです。