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院長日記

2020.04.07

新型コロナウイルス感染症情報_17

本日、安倍首相からいよいよ(ようやく?)「緊急事態宣言」が出されます。周南市にも流行の波が押し寄せ、昨日の風邪診療はいつもより結構気づかれしてしまいました(幸いコロナではなさそうだったけど)。さて、そんな中、沖縄県立中部病院の高山義浩先生が、沖縄県民に向けてですが、Q&A形式のわかりやすい説明・指導文を出して下さいました。高山先生はいつも絶妙のタイミングで我々が助かるメッセージを発して下さいます。布マスクや牛肉が届くより、よっぽどこの難局を乗り越える支えとなるように感じます(批判はやめよう!反省)。「周南市に暮らしている皆様へ」と置き換えてお読み下さい。以下、本文です。

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沖縄県に暮らしている皆様へ
新型コロナウイルスの流行を抑え込むために

沖縄県立中部病院感染症内科

沖縄県において新型コロナウイルスの流行が始まりました。発熱や咳嗽などの風邪症状がある人は、発症してから1週間は外出しないでください。ただし、症状が長引いている場合には、かかりつけ医など医療機関に電話で相談してください。

これは、学校休校よりも、イベント自粛よりも、何よりも大切なことです。もちろん、その風邪症状は新型コロナではないかもしれません。でも、地域流行が始まったいま、そうでないとは言えません。症状を認めたら、自分は新型コロナなんだと考えて、周囲に感染させないために外出を控えてください。

沖縄県の皆様が力を合わせ、支えあうことができれば、この流行は必ず抑え込むことができます。完全に無くすことはできませんが、必要な人が適切な医療を受けることができるレベルで制御することができます。どうか、この大切なメッセージを受けとめ、正しく理解し、そして行動へと移してください。

とはいえ、分からないこと、心配なことがあると思います。以下、一問一答でお答えします。また、今後の課題について「※」で入れています。行政関係者の方々は、譲り合うことなく進めてくださいますようお願いします。

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問1 一緒に暮らしている人に感染させないためには、どうしたらいいですか?

症状のある人を家庭内の個室に隔離してください。発症した日を0日目として、7日目までは部屋から出ないようにします。ただし、周囲に人がいないことを確認して、自宅の庭などに出ることは可能です。

どうしても屋内を移動しなければならないときは、マスク(布マスクでも可)を着用します。そして、部屋の外では、できるだけ余計なものを触らないようにします。触る必要があるときは、事前にアルコール(石鹸手洗いでも可)で手指衛生をして、その後は自分の身体(衣類を含む)を触らないように心がけます。

トイレやシャワーを使用する時には、ドアノブや蛇口など触った場所よく覚えておき、アルコール(台所洗剤を100~200倍に薄めた水でも可)を染みこませたペーパータオルで拭ってください。なお、歩いた場所の床を拭く必要はありません。

食器やタオルを共用しないように注意してください。とくに、本人が箸やスプーンを差し入れた食事には、ウイルスが付着されている可能性があります。他の家族は口にしないようにしてください。ただし、通常の洗浄・洗濯をすれば、食器やタオルを他の家族が再利用することは可能です。

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問2 独り暮らしなのですが、食事などで外出が必要です。どうしたらいいですか?

できるかぎり、外出しないでください。食事など生活に必要なものは知人・友人に依頼するなどして自宅に届けてもらいましょう。ただし、玄関先に置いてもらうようにして、対面で受け取ることがないようにします。

※ 市町村などの行政は、独居で外出を自粛している人を支援してください。たとえば、地区の民生委員の協力を求めたり、ボランティアセンターを立ち上げるなどが考えられます。地域の商店やレストランなどで感染が広がらないよう、住民が一体となって症状のある人を支える仕組みが必要です。

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問3 心配なので、新型コロナウイルスに感染していないか調べてもらえますか?

沖縄県では、以下に該当する方について診断のための検査を実施しています。帰国者・接触者相談センターに電話をかけて、帰国者・接触者外来への受診方法について相談してください。

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沖縄県における新型コロナウイルス感染症のPCR検査の対象
(2020年4月1日時点)
〇 発熱、咳嗽など疑われる症状を4日以上認める患者のうち、以下に該当する者
 1)重症化するリスクのある者
 2)妊婦
 3)医療もしくは介護従事者
 4)確定患者の濃厚接触者
 5)2週間以内に流行地域への渡航歴がある者
〇 周囲に同様の症状を有する者が複数認められ、集団発生が疑われるとき
〇 胸部レントゲン写真またはCT検査で疑われる肺炎像を認める患者のうち、その原因が明らかでない者
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上記に該当しない人でも、新型コロナウイルスに感染している可能性は否定できません。ただし、すべての風邪症状の方に対して検査を実施できる体制ではありません。症状が軽ければ、なるべく受診することなく自宅で療養していてください。

なお、息苦しい、食事がとれない、倦怠感が強いなど症状が重いと感じたときには、迷わずに近隣の救急外来を受診してください。ただし、あらかじめ医療機関に電話をかけて受診方法について問い合わせ、その指示に従ってください。

※ 地域の診療所は、上記に該当しない軽症者が帰国者・接触者外来を受診することがないよう、帰国者・接触者相談センターとも連携してトリアージを徹底してください。

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問4 重症化するリスクのある人とは、どのような人ですか?

高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(肺気腫など)の基礎疾患がある方、透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方などが考えられます。ただし、基礎疾患のない若い方であっても、重症化している事例が報告されています。過信することなく、症状が重いと感じたら、救急外来を受診するようにしてください。

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問5 高齢者と一緒に暮らしていますが、部屋を分けることができません。どうしたらいいですか?

新型コロナウイルス感染症と診断された場合には、現時点では、入院措置となります。しかし、PCR検査の対象ではない方、あるいは検査結果が陰性であった方であっても、新型コロナウイルスに感染していないとは言えません。

そこで、重症化するリスクのある人と同居している場合には、その人を親族の家に避難させたりして、感染から守ることを検討してください。介護を要する高齢者の場合には、ショートステイを利用することも考えられますが、濃厚接触者の可能性があるため、感染対策について施設側との調整が求められます。

※ 県は、軽症者がホテル等で宿泊療養できるよう体制整備を急いでください。対象としては、高齢者や基礎疾患のある者と同居している軽症者、医療従事者や福祉・介護職員と同居している軽症者が考えられます。

以上

PDF版はこちら
http://plaza.umin.ac.jp/~ihf/others/200406.pdf
200406_高山_沖縄県の皆様へ