元気スイッチ

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院長日記

2020.05.31

「新しい生活様式」について_part2

緊急事態宣言が介助され、「新しい生活様式」が求められています。
マスク、手洗い、「三密」、ずいぶんと認識されてきたと思います。が、それだけじゃなく、私が重要と思っていることがあります。
体調不良時、熱があるとき無理せずに「休む」ということです。
これ、新型コロナがいる世界、そして、新型コロナにならないためにはとっても重要です。
今までの日本は、少々では我慢して、仲間に迷惑をかけないようにすることが「美徳」とされ、学校では、欠席がないことが内申書にも影響していました。そして、安易(?)に休むと「私はそれぐらいでは休まなかった」とか「働く気がない(勉強する気がない)」「さぼっている」「根性がない」と白い目で見られがちでした。
今回の新型コロナでは、ワクチンや治療薬がないこと、感染力、致死率が高く、症状だけでは通常の風邪と変わりがないことも多かったり、症状が出る前から周囲への感染力があるという厄介な性格もあることから、体調不良時、熱があるときには「新型コロナかもしれない」ので、無理せずに「休む」ことが重要になってきます。
今までは感染しても、社内・学校で流行しても、そこまで深刻、困らなかったので、自分が休むことで生じる他者への迷惑の回避が大切だったし、休む=不健康、学業意欲なし、反社会的とされないことが大切だったわけですが、これからは、無理せず休むことこそが、他人・仲間を思いやることであり、むしろ社会的な思いやりでもあることという認識、考え方の変換が求められているんだと思います。
それが「新型コロナのいる世界で生きる」=「ウィズ・コロナ」ということになるんだと思います。
全国的に緊急事態宣言が解除される中、そんなことを考えながら外来をしていたら、
発熱とのどの痛みで来院された方から、「会社休めないので、なんとかすぐ治して下さい…」と言われ、
下痢で来院された方からは、「今から生徒さん達が来るのでなんとかして下さい」と言われ、
まだまだこれからだな…と改めて思った次第です。
改めて今までの感染対策と、新型コロナの世界で求められる感染対策を比較しながら考えてみましょう。
まず、入り口から。
今までは、上記のような方々が多かったので、インフルエンザやノロになってても(自分でも「もしかしたら…」ぐらいは思ってても)、少々なら職場や学校、集まりに行っていたので、マスク・手洗い、「三密」回避が不十分な状況では、あっさり感染拡大していました。新型コロナのように発端者、感染者にナンバーが振られ、発表されることもなく、社会的にも非難されることも少なかったので平気でした。が、このたびの新型コロナは極端な話、感染を絶対避けようとしています。そのためには、この入口がルーズではどうしようもない。せっかく、マスク、手洗いして、室内では「三密」避けていても、入り口が開けっ放しでは、敵は入りたいだけ入ってきます。できるだけ入り口をしっかり閉めて、それでも漏れ、入ってきても、マスク、手洗い、「三密」の徹底で、最小限にするそんな意識が大切です。
今までの感染対策ってやっているようで「ザル」だったことがわかると思います(医療機関は別です)。今は何をやっても新型コロナに感染するんじゃないかという大きな恐怖・不安感に包まれていると思いますが、このように考えると、敵がなんとなく見えると思いますし、「なんとかなりそう」とも思えるのではないでしょうか?

追加:今の周南は新型コロナが基本的にはいないので(もちろん感染者が他県から入ってくれば一気に状況は変わりますが)、少々風邪症状があって出勤、登校しても許されるところがあるかもしれませんし(が、白い目では見られるようになったと思います)、早々に休まなくてもいいのかもしれませんが、北九州の感染拡大が山口県内にも及んで第二波となったり、寒くなってインフルエンザが流行する時期となると、新型コロナの対策は更に、更に困難を極めるはずです。ひどい場合は、新型コロナやインフルエンザでぐっちゃぐちゃになり、病院にもかかれず亡くなったり、入院しようにも入院できなかったり、病院内は新型コロナやインフルの院内感染で溢れ、病院スタッフも院内感染で倒れ、高齢者・障害施設でも流行し、入所者は入院できず、ケアするスタッフもどんどん減り、施設でどんどん亡くなり・・・そんな地獄絵、容易に想像されます。
ですから、今のうちに早めに休むことに慣れる、休んだときに双方が困らない仕組みを作っておく、そんな準備が第二波、インフルが流行する冬に備え必要だと思います。